【元教員が証言】読書習慣がある子とない子の「決定的な違い」7選

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「うちの子は本を全然読まなくて…」
保護者面談で何度も聞いたこの悩み。正直に言うと、私も新任の頃は読書週間が学校生活に大きく関わることなど知りませんでした。

しかし、教員生活を重ねるうちに、読書習慣がある子とない子の違いは想像以上に大きいことを痛感。それは単なる国語の成績だけでなく、授業態度、友人関係、問題解決能力まで、学校生活のあらゆる場面に現れるのです。

読書習慣の有無で、子どもの学校生活は驚くほど変わります。 私がこれまで目の当たりにした、読書好きな子とそうでない子の圧倒的な差をお伝えします。

トモコ
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私が驚いたのは、算数研究会のえらい先生が「算数には国語力が必要」と言い切っていたことです。確かにどの教科においても、「読解する」「表現する」ことは欠かせません。読書で得られる力が、これからの教育においてますます必要なんだと感じた瞬間でした。

教室で実際に見た「読書の力」7の瞬間

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1. 朝の10分読書で見えた集中力の差

朝の活動として読書を取り入れている学校も多いことでしょう。「朝読」とも呼ばれるこの習慣は、集中力を高めるだけでなく、気持ちを落ち着かせる時間としても効果的

登校や朝休みのあとの騒がしかった教室が、読書開始と同時に一気に静まり、空気がガラッと変わります。

トモコ
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読書週間のない子も半ば強制的に本を読む時間となり、結果として読書に親しめるようになります。私は朝読のときに絵本の読み聞かせもしていたのですが、高学年でもワクワクしながら聞いてくれていました。

2. 話し合い活動での発言力

語彙が豊かな子は「理由」「具体例」「結論」をわかりやすく伝えられるのも読書の効果といえるでしょう。

6年生の学活でグループワークに取り組んだとき、読書好きのA君は与えられた課題の内容をいちはやく理解。解決までの道筋と手段を、瞬時にたて、仲間に説明していました。

トモコ
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A君は本の中でも「探偵もの」「推理小説」が特にお好みで、グループワークでの活躍はまさに名探偵!自分の考えを、みんなで共有できるようわかりやすく説明できていました。

3. 説明文の要旨をつかむ速度

段落の「型」に日常的に触れている子は、要点の抜き出しが速いとも感じています。国語の説明文では、起承転結(導入→主張→理由・具体例→結論)を見分け、筆者の意見を要約する力が必要。

構造が見えていない子には文字がただ並んでいるだけに見え、テストの「〜について◯文字で書き抜きなさい」という問題でも、どこを探せばよいか見当がつきません。

一方で、どのあたりに」「どんなことが」書かれているかの位置感覚があるだけで、解答時間は大きく短縮します。注目する点は、接続語(しかし/つまり/例えば など)と段落の頭・末のまとめ。ここを拾える子は、要旨も根拠もすばやく押さえられます。

トモコ
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テストでも「どこに書いてるの?」と聞かれることもたびたび。その場で全文読んでも、問題文と合致するところが見つけられない子もいます。「問題の意味はわかる?」からの説明が必要で、国語力の乏さを感じざるを得ませんでした。

4. 作文に現れる表現力の豊かさ

比喻や接続語の使い分け、段落構成の自然さに、日頃の読書量の差がそのまま出るのが作文指導でした。読書好きのBさんは「雨が降っているというより、空が涙を流しているようだ」など、大人顔負けの表現を使っていました。

トモコ
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出来事をただ述べるだけではなく、印象的な瞬間にどれだけ焦点をあてられるかが、作文のミソ。五感を使った表現や、擬音語や比喩表現を用いると、表現がぐっとよくなります。読書好きな子は、それらが自然とできる様子でした。

5. 社会科資料読み取りでの論理的思考

グラフや年表から”根拠つき”で発言できる子は、普段から情報を読む習慣があることも明らかでした。「このグラフを見ると〜が分かります。なぜなら〜」という発言パターンは、読書で培われた情報処理能力だと感じます。

トモコ
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読み取りの力は繰り返さないと身につきません。逆にいえば、コツをつかむことで上達もします。読書に親しめば、自然とコツをつかむことができるでしょう。

6. トラブル対応での感情コントロール

感情語が豊かな子は、気持ちを言葉にでき、収束が速い「悲しい」「怒っている」など単純な言葉だけでなく、「裏切られた気持ち」「戸惑っている」「悔しい」などと具体化できる子は、原因と求める行動がはっきりし、解決までが短いと感じます。

さらに、相手や保護者へも事実+感情で「〇〇さんは〜と感じている」と正確に伝えられるため、誤解や不信の連鎖が起きにくいとも感じています。

トモコ
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うまく表現できないことで「なんで僕の気持ちがわからないんだ」と、相手を責めたり、パニックになったりする子も。語彙や表現をたくさん知っていることは、自分が生きやすくなる方法でもあるのです。

7. 音読劇での表現力

登場人物の心情を音読で表せる子は、普段から物語の”行間”を味わっている証拠です。学習発表会の音読劇で、読書好きの子たちの表現力は圧倒的。観客の心を動かす朗読ができていました。

トモコ
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Cさんは「ここはワクワクした感じで」「待ち遠しそうに」と、声に出して読むことを楽しんでいました。その様子が素敵で、周囲の友だちにも広がり、とても完成度の高い音読劇になったんです。

現在の子どもたちを取り巻く「読書離れ」の現状

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文部科学省の調査によると、学年が上がるほど読書量は減少傾向にあります。特に中学生以降の読書離れは深刻で、高校生では月に1冊も本を読まない生徒が約半数に上ります。

・学習時間の増加:受験勉強や部活動で読書時間が削られる
・デジタル機器の普及:スマホやゲームに時間を取られる
・大人の読書離れ:家庭で読書のモデルとなる大人が少ない

家庭でできる読書習慣づくり5つのポイント

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1. 環境を整える

  • リビングや寝室の手の届く高さに本棚を設置。
  • 本の表紙が見える「前向き収納」で興味を引く。

2. 親も一緒に読む

  • 親子で同時読書10〜15分を習慣化。
  • 読後に「好きな表現」を一言ずつ交換。
  • 親子で同じ本を読み、感想を交換するのもおすすめです。

3. ハードルを下げる

  • 漫画や図鑑からスタートしてもOK。
  • 短時間でも毎日続けることを重視。

4. 読み聞かせを継続

  • 小学生になっても読み聞かせは効果的。
  • 章の冒頭だけでも親の声で聞かせる。

5. デジタルも活用

  • タブレットの読書アプリを「待ち時間専用」に。
  • 移動中の電車内での読書習慣づくり。

まとめ:読書は「生きる力」の土台

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17年の教員経験で確信したのは、読書は語彙・理解・自己肯定感まで底上げする「生きる力の土台」「学びの土台」だということです。文部科学省も読書活動を「考える・感じる・想像する・表す・知識を得る」力を育てる重要な活動として位置づけています。

中学・高校で忙しくなる前に、小学生のうちに読書習慣を確立することが何より大切です。読書は、日々の短時間でも積み上がります。家庭で無理なく読書習慣を作ってみてください。

家庭で「読書の習慣をどう作るか?」については、以前こちらの記事で紹介しています。→ [ヨンデミーの記事はこちら]

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