「モンスターペアレンツとは言われたくない」
「学校との信頼関係は大切だけど…」
「困りごとをどう伝えたらべきか」
子どもを大事に思う保護者ほど、学校との距離感に悩む方は多いはず。ご近所から悪い評判を受けないように気遣っている方もいるでしょう。
私は小学校の先生を17年務め、数百軒もの家庭と向き合ってきました。本記事では、そんな私の体験から、”神”保護者の実例を紹介します。
結論、協力的で学校・担任との信頼関係を築けた保護者の子ほどトラブルが少なく、学習にも意欲的と言えます。
家の小さな仕組みと日々の言動に気をつければ、学校と良い関係が築け、子どもに良いことばかり!今日からひとつずつ、取り入れてみませんか。
① トラブル時に「事実を」「冷静に」伝えてくれる保護者
ここが“神”:あくまで子どもが主体
子どもがトラブルに巻き込まれると、「かわいそう」「またあの子か」「親としてなんとかしてあげたい」と様々な感情を抱きます。そのときにおすすめしたいのが、「事実を」「冷静に」伝えることです。感情むき出しの訴えは二次トラブルを生みがちですが、事実ベースは迅速・公正な対応につながります。
また、意外と起こりがちなのが「トラブルの原因は我が子だった」というパターンです。帰ってきた子どもから「A君に叩かれた」と聞くと、ついカッとなってしまうのですが、話を紐解いていくと「我が子が先に手を出していた」なんてことも。事実を確認することから始めると、意外と見えていなかったことに気づくこともあります。
【すぐ使える連絡テンプレ】
昨日の休み時間、〇〇ちゃんに服を引っ張られたそうです。事情がわからないので、話を聞いてもらえますか。

子どもたちに話を聞くと、「虫がとまったので服をひっぱって飛ばした」とのことでした。された子も「そうだったのか」と納得してくれ、引っ張った方も「次から一言かけようね」と学びにつながりました。
② 宿題の「確認」だけしてくれる保護者(丸つけ完璧は不要)
ここが“神”:手はかけず、目や心を配ってくれる
やり直し忘れや誤答の放置は学びを穴抜けにします。保護者が “終わったか・直したか・次いつ出すか” を軽く確認してくださるだけで、翌日以降の学習が滞りません。
やり忘れや忘れ物が続くと、モチベーションが低下し、自己肯定感や学習意欲も薄れてしまうもの。低学年のときは手をかけ、中・高学年では目配り心配りでのサポートが最適です。
【3点ミニチェック】
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最後までやった?
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やり直しはない?
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明日の用意はした?
※答え合わせや解説は不要!会話の中で簡単な声かけをしてくれることで、やり忘れや忘れ物に気づくきっかけとなります。
③ 学校の方針に「お任せ」してくれる保護者
ここが“神”:よき理解者でいてくれる
「シャーペンを使いたい」「髪飾りをつけたい」など、子どもの願いは尽きません。遠足の班分けや宿泊学習の部屋割りも、希望どおりにならないことがあります。
「勉強と関係ないのだから認めてほしい」「仲の良い子がいないから替えてほしい」との連絡もありますが、学校の決め事には安全・公平・学習への集中などの理由があります。
一方で、
「新しい友だちができる機会だね」「本当に不安なら自分で先生に相談してみよう」とまず受け止め、挑戦を促すご家庭の子は、適応力が育ちやすいと感じます。
不都合をすぐ“変える”より、一度受け止めてやってみる → 必要なら事実を整理して相談。この順番が、子どもにとって良い経験になります。

どうしても例外が必要な場合や、子どもが不安がっている場合は、遠慮なく学校に相談してくださいね。
④提出物の期限を守ってくれる保護者
ここが“神”:余分な手続きが減る
保健関係、懇談・家庭訪問の希望、給食アレルギー届、各種同意…1枚欠けるだけで次工程が止まるのが学校事務。提出されないと電話確認が必要など、実はとても困るんです。
期限遵守のご家庭は、学級全体の運営を支えてくださり、本当に助かります!
家の仕組み(5分で整う)
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子どもとのルールづくり(自宅に連絡帳提出ボックスを用意するなど)。
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スマホでスケジュールで管理・締め切り日に通知を受け取る。
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後回しにせず、すぐに子どもに預ける。

大人いえど、忘れ物はつきもの。それでも気をつけて管理してくださることに、感謝しています。
⑤体操服・上靴・下着をサイズに合わせて用意してくれる保護者
ここが“神”:子どもの成長に合わせて物品を揃えるのは大変
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体操服:腕を上げて突っ張らないか/しゃがんで太ももが窮屈でないか。
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上靴:つま先1cmの余裕/かかと浮きがない。
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下着:本人が選べる選択肢を用意(柄・形)。
番外編:絶対にしないでほしい—子どもの前で悪口を言う
「最悪」「キモい」「他の先生がよかった」…こうした言葉は、子どもに大人への不信と模倣を植え付けます。学校でのトラブル頻度が高い子の多くは、家庭で先生を見下す発言を日常的に聞いていました。
家庭での影響は絶大。逆に、
「先生の話、まずやってみよう。合わないところは一緒に相談しよう」というスタンスのご家庭で育つ子は、大きく道を外しません。
まとめ
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事実ベースの連絡
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宿題の確認だけ
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ルール準拠(必要時は目的と期間を添えて相談)
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期限遵守のミニ仕組み
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サイズの定期チェック
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子どもの前での言葉選び
この小さな仕組み×言動が、子どもの毎日を確実に前に進めます。一見関係なさそうですが、このような家庭のお子さんは安定して学校生活を送れ、学力も高い傾向にあります。
ぜひ、少しずつ取り入れてみてください!
よくある質問(FAQ)
Q. 先生への相談文が長くなります。短くするコツは?

「事実(何が/いつ/どこで)→お願い(何を/いつまでに)」を端的に伝えるといいですよ。
Q. 宿題の丸つけまで親がやるべき?

いいえ。完了・直し・提出の確認が最優先。採点や解説は不要です。毎日続く簡単なルーティーンがおすすめ。
Q. 学校ルールに疑問があるときの伝え方は?

まず「ママも子どものときそう思っていた」と共感してあげてください。その上でルール・マナー・モラルを保護者の方の言葉で伝えると理解してくれるはずです。
お困りごとなどあれば、教えてくださいね。
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